CLIPS WORKS特記

CLIPS WORKS。制作物や制作プロセスでの特記内容を記しています。
 

●20歳の「えびちゃん」がモデルのポスター。JAくるめ20周年記念誌・ポスター

●捨てられないパンフデザインを。日立九州ビル竣工パンフレット「万葉植物図繪」

●イチローの前の鈴木一朗の写真も。小倉競馬場竣工パンフレット「明日へ」

●オープン8ヶ月、広告の見直し依頼を受けた。レストランカフェ「ヴィンテージ」

●訴求対象層に向けた『並でないDM』づくりを。レストランカフェ「ヴィンテージ」


20歳の「えびちゃん」がモデルのポスター。

JAくるめ20周年/ポスター・記念誌

●20周年記念誌/A4判・184頁 ●ポスター/B2 ●撮影/香和印刷(2000年制作)

JAくるめは、本所と51の支所・事業所で形成されており、20周年記念キャンペーンデザインを香和
印刷より依頼され、ポスター・記念誌ほかを制作した。2000年のことである。
2011年、制作した印刷物等が 収納過多になったため、残す・廃棄の整理をはじめたさいにこのポス
ターを見いだした。約10年前のこのポスターは、デザインを不出来に思い廃棄しようと思ったが、
コピーは我ながらうまいなあと感心してしまった。ふと、このモデル、えびはらって名前ではと思い
出し、古い手帳を繰ったら、蛯原友里の名と携帯番号が書いてあった。
 
ポスターの制作意図は、20周年で、人の10年は大きく変わらないが、20年は新生児が成人になる。
キャッチコピーを「20年って、偉大だね」とし、男女のモデルが20年前の写真を掲げているビジュ
アルにした。男性モデルは40代のJA職員、女性は20歳の本業モデルとし、「セレーズ」モデルクラ
ブを訪ね、推薦されたのが蛯原さんで、九州産業大学3年生デザイン関連の学部とのことでした。
 
早速、JAくるめの当時の記念誌担当の方に約10年ぶりに電話をしたら、撮影から2年後に蛯原友里
がブレイクし、男性モデルのJA職員は自慢の種にしているとの返事で、これまで気付かなかった私
は叱られました。
 
 

捨てられないパンフデザインを。

日立九州ビル竣工パンフレット「万葉植物図繪」

●パンフレット/A5判・16頁 ●プロデュース/西広S(1996年制作)

福岡市百道の壮大な埋め立て地には福岡ドームや福岡 タワー、市立博物館、放送局などが集積した先端文化地区で、ここに日立九州ビルが建立された。このビルの建設には大成建設をはじめ著名建設企業が共同体として数多く参画している。パンフレット制作にあたり大成建設からの要望があった。竣工式に出席される来賓から工事関係者の全てに渡せるための納期。そしてずっと手元に保管しておきたい捨てられないパンフレットのデザイン制作をであった。

この百道一帯は元寇の戦地で、古くから防人の居留地であった。またこの温暖な福岡には自然の草花が豊富で、題材にした数多くの万葉歌が詠まれている。そのようなことから万葉歌に登場する草花をテーマに、その植物の特性も伝え、身近な植物への興味喚起を はかれるようになれば、このパンフが役立てられるを意図して制作した。

●イラスト/原色牧野植物大図鑑・正編(北隆館) ●写真提供/大成建設

 


イチローの前の鈴木一朗の写真も。全頁を見てもらえるパンフデザインを。

小倉競馬場竣工パンフレット「明日へ」

●パンフレット/B5判・36頁 ●プロデュース/西広S(1996年制作)
 
小倉競馬場建設工事には、大成建設をはじめ著名建設企業が共同体として数多く参画している。パン
フレット制作にあたり大成建設から要望があった。パンフには完成後の外観や建物内部の写真が掲載
されるが、絵になる写真の頁もあれば地味な写真の頁もできる。しかし共同体として取り組んだ工事
記録でもあり、36頁の全てに目を通してもらえるパンフデザインをであった。
そのために小説形式にし、読み進んでもらうことで36頁を繰ってもらえるようにした。
 
小説について大成建設より、感動が得られ勇気づけられるドキュメントをの意向があった。調査を重
ねた末に、ドキュメント小説のテーマとして、全国身体障害者軟式野球大会で社会人チームを相手に
優勝を果たした県立播磨養護学校の『もうひとつの甲子園』、この実話を選んだ。
 
全国養護学校のなかで唯一野球部のある高校でチーム名はヤンガーズ。対戦相手は社会人で、連戦連
敗のチームであったが、血のにじむ練習と工夫で、1994年秋に参加11チームの近畿大会を制する。
その年のシーズンオフから、オリックスの選手たちとの交流がはじまり、さらに力をつけていく。
 
翌95年1月、阪神淡路大震災が起き、オリックス・ブルーウェーブは『がんばろう神戸』の文字をユ
ニフォームに縫い付けて戦い、リーグ優勝を勝ち取り、神戸の人々に勇気と希望の灯をともした。
そしてヤンガーズは秋の近畿大会に2年連続優勝し、その後、念願の全国大会優勝も果たした。
 
小説は以上のような内容である。当初、取材執筆を阿久悠に依頼したが、販売しない本は書かないと
断られ、福岡在住のライターが取材執筆を行った。
表紙「明日へ」の題字は、障害者福祉施設たんぽぽの家、書の芸術家集団GROUP文字屋(もんじゃ)
のメンバー山口広子氏の筆書です。
 
 

広告への新たなイメージづくりを依頼されました。2008年5月。

レストランカフェ「ヴィンテージ」

●コミュニティ誌掲載広告のイメージづくり ●プラン・コピー・イラスト・デザイン/佐藤栄作

 

レストランカフェ「ヴィンテージ」は、N社の飲食店部門が経営する7店のひとつで、福岡天神の高

級飲食店テナントビル内にあり、内装に7000万円以上をかけた高級レストランカフェである。

ワイン通のオーナーが60種を越える銘柄ワインを揃え、またワインセーバーWHYNOTにより、常に

抜栓仕立て状態のフレッシュなグラスワインを提供している。

オープン当初は、認知と来客促進へイメージ的なテレビCMを放映し、各種コミュニティ誌に広告掲

載を続けていたが、オープンから8ヶ月を経て、広告効果が出ないということで、私方にその見直し

を依頼された。

コミュニティ誌では飲食店ガイドページで、1ページを8分割したなかの1枠を使用した広告が主で

(広告スペースが大きくなると掲載費用が高くなる)、周囲の広告と比べて特に目立つこともない。

広告内容には、昼はランチタイム時のみ営業し、パスタランチなどを割安で、デザートにはチョコレ

ートフォンデュを楽しめる記事もあり、夜の来客につなげる手段がなされていた。

パスタランチはすごく美味しかった。贅沢なインテリアは非日常で、リピートが期待できると思いま

した。

コミュニティ誌広告で目立たないのは、他店広告との明確な差別化ができてないからで、目立つキャ

ラクターとキャッチコピーでその点を補えると判断しました。またテレビ等の他媒体でも使用するこ

とで効果は促進します。

 

夜の来客は若い人が主体で、当初予定より客単価が低すぎるという課題もありました。高級ワインを

楽しむとなるとリッチ層のアダルトで、この層を訴求した広告表現が必要です。

キャラクターとするイメージイラストを、大人の雰囲気がある「ワイングラスを傾け(料理に向かう)

レディ」とし、上質なレトロ感覚のイラストで表現することにしました。また『ワインに酔う・シェ

フのテイストに酔う・空間に酔う』を表現コンセプトに、キャッチコピーを「あぁ、なにもかも、酔

いませう」とし、ボディコピーにつなげた。

認知拡大へ天神周辺の駅貼ポスターを。またコミュニティ誌はページの下段4分の1スペースを見開

きページの広告とし、左ページはヴィンテージの一般情報を。右ページはランチタイムの案内を。ま

たは来客促進へのイベントを企画し、その案内を。…の内容としました。

 


訴求対象層に向けた『並でないDM』づくりを。2008年7月。

レストランカフェ「ヴィンテージ」

●誌媒体広告とDM制作 ●プラン・コピー・イラスト・デザイン/佐藤栄作

 

レストランカフェ「ヴィンテージ」の訴求対象をリッチ層アダルトとしたが、目標とする客単価の確

保へ訴求対象をもっと明確にし、その層へ絞った効果的なアプローチを求められました。

訴求対象層を『団塊の世代でワインに憧憬のあるハイクラス層』とし、その層から会員として利用し

てもらうことで安定した収益の確保につなげたい。その層であれば200名の会員確保で可とされた。

会員特典として、予約により営業時間外でもフリータイムに利用できる。面談や商談・各種集まりや

パーティー・催し等に店スペースを活用できる。そのさいのワイン・料理、会場設営・進行、セッテ

ィングも要望にお応えする。

ヴィンテージ会員募集へ、限定した層へDMにより認知・理解促進をはかることになった。

他媒体としては対象層に沿った医療関係誌や機内誌などがあげられた。

DMについては、封を開き手にしたとき、心を捉えられる『並でないDM』を求められました。

DMの内容は、レストランカフェ「ヴィンテージ」の紹介のほかワインの知識・店に揃えている60種

を越える銘柄ワインリストとその詳細ガイドを掲載し手元におきたい内容にした。

費用がいくらかかってもかまわないからインパクトのあるDMをであった。

B6判・48頁、上製本。表紙のキャラクターイラストには、型押しを入れて立体的にし、豪華本の体

裁を得られた。

誌媒体とDM配布は効果があり、早々に目標会員数を上回ることができた。

 

 


お問い合わせ先

佐藤栄作

福岡県